猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第48話

〜前回までのあらすじ〜
本格的にポケモンとしての自らを鍛えることを決意したさくら。どんな修行が待ち受けているのか…
 
コトマ「そういやオラ腹減っちまったー」
さくら「!?」
 
第48話
「1.2の…ズキュウウウン」
 
後日、朝ご飯を食べてから再び空き地に立った私達。
でもそろそろホットケーキ以外のものが食べたいです
 
「さーて、遠距離攻撃っつっても、イーブイは何を覚えるんだ…?」
 
あの図鑑には技とかはちょこっとしか載ってなかったかなあ。
それに、技マシンはまだこの時代には…
 
「遂にコイツを試す時が来たか…」ゴソ
ポケットから何か取り出そうとするコトマさん。
もしや…!?
 
ガタン!
 
重々しい音を立てて落ちたのは、円形のよくわからない石板だった。
ところどころに不思議な文字みたいなのが刻まれていて、真ん中に穴が空いていて、まるで古代の通貨みたい…
ってえええ!?
この石板…もしや、昔の技マシンってこと!?
コレは歴史的発見では
もしかして、歴史とかに載ってたあの通貨も…コレの類なのかしら?
でも表面が多少ボロボロなせいか、文字がわかりにくい。
でも、真ん中の穴の上に星型の印がある。
きっとこれはスゴく特別な技ね!?
 
ちなみに技マシンをどうやってポケモンに使うかなんだけど…
対象のポケモンの頭にマシンを当てて、きちんと対応のものだったら瞬時に自動で記憶(データ)を刷り込むの!
…問題は、覚えている技の数…
覚えることができるのは全てのポケモンがどうやっても4つまで。
4つ以上ならどれか一つを忘れるしかないの。
その忘れるための方法が…
「1、2の…ポカン!」
頭に軽いショックを与え、一つ分の技に関する記憶を忘れる、と言ったなかなかの荒技なの。
技マシンを使って、作動しなかったら4つ以上覚えている証拠。
私は……4つ使った気がすr
グリィっ
「ぶーッ!!」
「オラ作動しろオラオラァ!」
いきなり頭上に石の塊を押し付けられた。痛い(┳ε┳)イジメイクナイ
 
そして石板からは何も反応が無い。相性が悪いのかもしくは…私は技を4つ持っているポカン確定である。
 
マシンの扱い方がイマイチわかってなさそうなコトマさんのポカンはきっとポカンじゃ済まない
 
恐いな、な、何か、技以外の記憶まで忘れそうな…
 
そうこう考えてる内にコトマさんは私にさっき頭上に置いた石板に手を当てた。
「ぶい…」
「多分『しっぽを振る』とかあまり使わない技が消えるだろう…安心しな。」
グッ
 
拳を固めたコトマさん。一方私は重い石板が頭に乗った状態で尻餅をついているため
動くに動けない。いや、ここはコトマさんならやってくれる。信じなくちゃ…!
 
「るぉぉおおおおおお!!」
 
視界が、暗闇が爆ぜるような感じで一瞬照らされ、
気を失いかけたような脱力感がしたが、
目を凝らすとさっきと同じ風景。
違うのは、コトマさんの拳が私の頭に置かれ、石板が跡形もなくバラバラになっていること…
しかし痛みなんてどこにも感じない。
どうして…?
 
「上手くいった…よく我慢したなよしよし。」
歯医者に耐えた子供のように扱われたけど、
やっぱりなでなでされるのが嬉しいので頑張ってよかったとです!
 
「さてと…早速使ってみようぜ、技!」
「ぶい!」
 
期待に目を輝かせ、コトマさんが置かれた丸太に攻撃指示を出した。
 
「さくら、スピードスター!!」
「いぶ…い!?」
えっスピードスターってレベルアップしたら覚えるんじゃ
 
さっきの星の印はそういうことだったの!?
遠距離攻撃は便利だけど辛抱すれば後々覚えるハズなのに…
 
力をこめたからか、私の体の奥底から不思議な感覚がし始めた。
気を取り直してこれが私の初遠距離技…スピードスター!
 
「ぶいいいいいッ!!」
丸太に向けて大きく叫び、強い思いをぶつける感覚で飛び上がり…
あ、あれ?
スピードスターはそんな飛び上がらなくても…。
 
ふと自分の後ろが眩しいと思ったら、
尻尾が激しく輝き力に満ち溢れていた!
 
瞬時、振り上げた尻尾に引っ張られる様に私は急降下した。
「『シューティングスターテイル』!!」
 
脳裏で聞き覚えの無い叫びが聞こえたと同時に、丸太は綺麗に真っ二つになっていた。
 
一体私は何の技を覚えたの!?
古き文明に振り回された果てがこの力…!?
 
とぅびぃこんてにぅ!
49話に続く
あとがき
春休み中大変長くサボってしまいました…
今回からペースアップ再開できるといいなあ。
 
最初は遠距離としてスピードスターを覚えさせようと思ったんですが、
何となくオリジナル技を出したくなったのと、古代版技マシンのアイデアが気に入ったのでw
近距離技ばっかりだけど頑張れさくらちゃん。