猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第43話

〜前回までのあらすじ〜
逃したチャンスを再び掴むべく、コトマは作戦を告げる!
 
第43話
「もふリングコンビネーション」
 
 
確かに今の私ならわたあめ君よりマークが薄い分、奇襲成功率は上がるけど…
 
「さくらは無理に攻撃を成功させなくていい。ただ、技は使う。」
「どういうことだい?」
コトマさんは相手の様子をうかがいながら話を続ける。
「なるべくさくらが囮であることをちらつかせるんだよ。
とにかく、あの2匹両方を引き付けてもらって、
わたあめはなるべく捕まらないように距離を保て。」
私の奇襲から相手の目線を切り替えさせる…そういうコトね!
 
「ふん、話し合ったところで何も変わらんぜ!」
「降参するならいm」
 
ギュンッ
 
「げはぁっ!」
 
2匹の中で機動力のあるムックルを狙い、電光石火を直撃させた。
注目度を上げるため、わたあめ君の苦手な相手のスタミナを奪うためである。
 
「くっ…野郎!」
ムックルが反撃で翼で打つを放って来たのをヒラリと避ける。
 
そしてかわした先に待ち構えるドッコラーを…
 
「でやぁああ!」ガッ
「何っ!?」
振りかぶっているその隙を突いて、角材に突撃し、ドッコラーの構えを崩す!
タイミングを少しでも間違えれば、大ダメージは間違いない。
けど相手の緩慢な動きを見切るのには苦労しない!
 
突然振り下ろす反対方向に角材に重圧がかかり、ドッコラーは転倒した。
 
「何だあのチビ!突然調子乗りやがって!!」
「猪口才な!」
賊も今ので注意を引けた。後は集中攻撃を凌ぐ…!
 
「生意気な!」
2匹が同時に襲いかかって来るのを確認し、
挟まれないよう走って攻撃をかわし続ける。
 
「なあ、そろそろ…」
「いや、まだだ」
コトマさんの暴風の合図はまだ出ない。2匹同時に当てるつもりなのだろう。
 
わたあめ君も相手の射程圏から離れつつしっかり目を張って空中で構えている。作戦は順調…そう思った矢先だった。
 
「こうなりゃこっちも電光石火だ!」
「何!?」
 
ムックルのパートナーの男が
ルールを無視し、2つ目の攻撃技を指示した!
違反に躊躇せずムックルは、私に猛スピードで低空飛行に入り突っ込んできた。
「さくら、跳べ!」
指示に従って上に跳び、相手の電光石火が空回りしたのを見送った。
 
「何よ!ルール上じゃ攻撃技は一つだろう、アンタらそれでも男かい!?」
早速大家さんがルール違反に喰ってかかる。
「ハッ、ルールなんてくだらねえ。ただ勝てりゃいいのさ!」
やはり返ってくるのは王道的な悪役の返答だった。
こんなイクサのルールを守れない輩には絶対負けられない…
 
「落ち着け、大体こうくるって予測できてるっての」
怒る様子は見せず、コトマさんは冷静だった。
 
「さぁて今度こそチビから片付けてやる!
ドッコラー、瓦割りだ!!」
「続けムックル、翼で打つ!」
 
2匹はさっきより勢いを増して迫って来る。
瞬時、コトマさんが目線で合図を私と大家さんに送り、
続けて大家さんが上空に合図を送る。
 
技が目前に迫った瞬間、
 
私は真後ろに回転ジャンプをして、すぐ近くまで来た雲に飛び乗った!
 
「今だ突っ込めわたあめ!!」
「了解ッス!喰らえ!コレが俺の…」
 
技を空振りしたドッコラー達に、避ける隙は与えない。
 
暴風!!」
 
地面に向かって放たれた太い渦が2匹を飲み込み、その当たった地点に大きなクレーターを生んだ。
 
わたあめ君がゆっくり着地する中、
クレーターから少し距離を置いた位置に
倒れて目を回している2匹を発見した!
「ば、バカな!?」
「ンナアホナァー!?」
 
「やったね、わたあめ君!ナイス暴風!」
「みんなのお陰ッス…!」
街の命運を賭けたイクサに勝った…
街を守ることができたんだ!
 
「チックショー!覚えてやがれぇ!!」
やっぱり王道的な悪役台詞で退散していく賊だった。
「いやー、今回は何とか凌いだな。
良くやってくれたよさくら。」
コトマさんは安心した顔で私を抱きかかえた。人前(あとポケ前)だと恥ずかしい…
 
でもこれが終わりじゃない、もっと大きな戦いが待っているハズ…
 
でも今は抱かれてる幸せに浸らせてください(もぎゅっ
 
44話に続く
 
あとがき
前回動きが少なかった分、今回さくらちゃんが囮以上に活躍しましたw
そしてまだザコ相手なので3話分も使う余裕なんて((ヒデェ
 
ちなみに賊を出しましたが親分とかそういうポジションキャラに至っては全く考えてません(オイ
 
区切り良く(?)終わったので次回はほのぼの系を考えたいかと。