猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第34話

〜前回のあらすじ〜
石頭さくら、派手にすっ飛んでおります。
 
第34話
「とあるブイズの超恋銃(ハートガン)」
 
 
いつの間に一回家に帰ったのか、手元には借りてきた図鑑が。
「電光石火以外の技を調べようと思ってな。」
 
なるほど、図鑑ならポケモンの覚えている技がわかる。
でも、近年でも『もともと覚えなかった技を
覚えている個体が発見される例』が各地方でたまにあるのに、
昔の本でどれくらい情報が集まってるのか…。
 
目を凝らしていたコトマさんが閃いたような顔で指示を出した。
「よし、さくら『鳴き声』だ」
 
ぶっ(・Σ・;)
 
 
『鳴き声』
解説:
可愛く鳴いて相手を油断させ、相手の攻撃能力を一段階下げる。
 
 
可愛く…鳴く……
ど、どうすれば。どういうのが可愛いのかわかんないよ!!(汗
私はなんとも言えない恥ずかしさに縮み上がってしまった。
「ぶ…いぃ…」
 
沈黙の中、コトマさんが先に口を開いた。
 
「あ、お前が昨日俺にやったアレでもいいじゃん。」
 
アレ…?
あ!アレ!?思えば必死でした。
 
そう、昨日私は居候させてもらうために『甘える』を苦し紛れに出したのだ。
 
…い、今ですかあ…?
 
…技としてものにしたら便利だけど…
 
「誰もいねーからめいいっぱい練習できっぞ。
さくら、えっと…甘える!」(ビシッ
 
うぅ…やるしか…ない…
こうなりゃ、2人きりってことを逆に意識して…!
 
「ぶぶいっ!(・∇<//)‐?」
 
前足を胸の前で合わせ、首を傾げてウインクをしてみた。
 
「う…おおぉ…ぶりっこ…
 
そんにゃあああああ
 
が、頑張ったのにぃ…
 
確かに今のはちょっと、
わざとらしすぎたかもしれないけど。
 
「じゃあもう一回なw」
なんか楽しんでませんか?
…これって実質異性の人間に甘える仕草を頼んでるってことですからね…?
 
でもそんなにイヤな気はしないので
「いーぶいっ♪」
自然な微笑みを意識してみた。
今度は…
 
「試験の面接官には好印象だな。」
 
よっしゃあ!
じゃない!!
 
敵には効かないよね多分。
イクサのための技のつもりが
コトマさん好みの笑顔探しじゃないの?
 
「…まあは可愛くは合ってるけど。」
 
( △///)
 
…やったわ私…
 
「そんなに誉められたのが嬉しいのか…?
そーだ、その嬉しさに乗せて技を出せば上手くいくんじゃねーか?」
 
私は一瞬我を忘れかけたけど、なんとか帰ってきた。
なるほど、よーし…
なら、飛びっきりの笑顔で…
飛びっきりの笑顔で…
 
クルッ
「ぶいい?」
4足歩行から出せる限界のターンをしながら笑顔を振りまくと、
不思議な光景が目の前に現れた。
「うお!?」
 
ピンク色のハート型の弾幕がコトマさんを横切った。
コトマさん目掛けて飛んで行ったが、
抜群の反射神経で見事にかわす。
 
「い、今の、『甘える』よりでけーハートが…?」
 
その後、ハートの弾幕はフワフワと漂ったあと消えてしまった。
 
甘えるよりも大きなハート。
コレってまさか…。
 
コトマさんも図鑑とにらめっこして確認する。
「俺も初めて見たが…まさか『メロメロ』か…?」
 
当たってたらいろいろとタイヘンなコトになってました。
 
でも当ててみたい
 
…でも私の記憶だと、
イーブイは『メロメロ』を自力では覚えないような…?
ま、いっか!
私がちょっと特別(?)なイーブイってことだよね!
 
「さくら、やったじゃねーかよしよし♀とか無性別にゃ意味ねーが」(ナデナデ
 
最後に言ったことはよく聞こえなかったけど、
トレーナーとポケモンの関係において、私は初めて誉められた。
 
私も嬉しくてコトマさんに飛びつく。
 
すると、空き地の前から
 
「コトにいのパートナー、イーブイかよダッセーww!」
 
2人っきりの時間を邪魔した挙げ句聞き捨てならない言葉が
 
声の主は、どこにもいそうな感じの小学生くらいの男の子の集団だった。
 
まさか新技習得の直後に、初本番バトルが待ち構えてるなんて…
 
 
 
35話に続いてしまえー!(ピロロロロ…←
 
あとがき
 
メロメロはさくらちゃんの必殺技(え
ただ人間に効果はあるのか…w
 
イカ自身は、譲れない部分以外は
徹底的に彼氏好みにするタイプですw
 
 
次回はさくらちゃん初のポケモンバトル(イクサ)!
 
コトマさんを罵った少年達への怒りが爆発!!…するかも((