猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第33話

〜前回のあらすじ〜
糖分で1日の活力をチャージ!そして特訓へGO!
 
第33話
「突撃丸太」
 
 
家を出て5分、切り株や、丸太が転がってる空き地に出た。
 
端っこに一本だけオレンの木が生えている、空き地というより、
修行のためのスペースって感じがする広さだった。
 
 
「ここはよく町のがきんちょが遊び場にしてるが、
相棒を鍛えるために来るやつもいる。
ま、敵は出てこないから基本的な特訓ができるんだよ。」
 
なるほど…いきなり本番じゃなくて、
じっくり練習できるワケね。
 
でも、どう練習するの?
 
「んじゃ、止まってる的に
技を当てられるようにするか。」
そう言いながらコトマさんはお手軽サイズの丸太を拾い、
切り株の上にセットした。
丸太に頭突きしろと…?
い、痛そう。人間の頃、悪党に金属バットで頭を叩かれても骨折しなかったけども。というかバットが折れた
 
今こんなふさふさの小さな体で、大丈夫かな…
 
まあ、割らなくても、
技を命中させればいいんだよね!
 
中途半端にぶつかって苦しむ位なら…当たって砕けるべし!!
 
「よしさくら、構えろ。」
 
私は姿勢を低くし、ダッシュの構えをした。
頭の中に、4足歩行ポケモンの体勢をイメージして…!
 
「ゴー!」
コトマさんの合図で私は前足で大地を押さえつけるかのように踏ん張り、
後ろ足で地面を思い切り蹴り飛ばした。
 
グンッ
 
 
「ぶいっ!」
 
うわあ!?
自分でもビックリする位のスピードが出た。
昨日の私からは想像できない位の勢いで…!
 
「そのまま真っ直ぐだ!的をよく見ろ!」
 
コトマさんのセリフで我に帰ると、丸太はもう目の前に来ていた。
 
思い切り踏み込み、体当たりを決めようとしたけど……
 
ガッ
「ぶいっ……ぶいいいいいい」
惜しいところで後ろ足が切り株に引っかかり、
私は派手に前転していった。
 
バァンッ
「ぶぎゃう!」
 
「うわっ、いてぇ…」
 
空き地の塀に強く背中を打ち付けた。
砕けるも何も、当たりすらしてないなんて…(TдT)
コトマさんは手で目を隠しながら、覗くようにして、のびてる私を見た。
 
背中の痛みで悶絶する私を心配してコトマさんが駆け寄ってきた。
 
「おい、大丈夫かよ…w勢いはすげーけどよ。」
 
すりすり…
 
また昨日みたく、背中をさすってくれた。
はぁ…何だか不思議と痛みが和らぐぅぅ…
 
「さ、もう一度やってみるか。」
うう、すぐに終わってしまった。
 
的には触れてないので、さっきと同じ場所から走り出せばいい。
 
あの勢いを保ってそのままぶつかればいいんだ!
 
 
「はいGOッ!」
内心めんどくさいのか、やたら早いコトマさんの合図のもと、私は走り出した。
昨日は体が慣れなくてあんまり力が出なかったのか、
今日はいつもの自分のように力が入る。
ギュオンッ
 
うはあ!?(^〇^;)
 
これ塀突き破りそおおおお
 
何だか弾丸になったような…
 
「アイツ、電光石火使えんじゃん。」
 
飛びかかった私は丸太目前で顎をぐんと引き、
額の部分を見事命中……!
バコォン!!
 
丸太は高く激しい音を出しながら飛んで行った。
 
…が
バキャッ
「うわああああああ(^p^;)」
 
「ぶ…い……。」
…ホントに塀破っちゃった。
 
その後、
破った塀には
木材というばんそうこうが貼られていたのは
言うまでもない。
無論私は無傷だった(痛いけど
 
 
少し頭を冷やして休憩をしていると。
修復作業を終えたコトマさんが戻ってきた。
 
 
ん…右手にあのポケモン図鑑持ってる…?
 
 
34話に続く
 
あとがき
 
練習感無いというか、
練習してんのは実質俺です(え
 
今回登場した空き地は、
『ノブナガ』で言うイクサ場ですね。(野生とかは出ませんが)
 
設定では、ポケモンを持ってる子供がイクサして楽しむ場所です。
 
急にさくらちゃんが速く走れたのは、
変身してから時間が経ったためです。
 
過去に辿り着いてからすぐの戦闘では、人間時の筋力等がイーブイの体に対応しなかったということで。((よくわかんない
 
 
表現力もほしい……