猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第45話

〜前回までのあらすじ〜
二足歩行を遂に極めたさくら、しかしコトマが突然…!?
 
第45話
「モンキーナックル」
 
剣ごと消えるということはかくれんぼではないことは確か…
カラカゼ町で何かあったの!?
私が玄関へ急ぐと、戸は開きっぱなしだった。
 
私も急ご…あっ鍵閉めないと怒られそう…
でも今はそれどころじゃない!
 
私も玄関を飛び出し、一応戸を閉めて
階段を転がり降りた。コトマさんはどっちへ…
あ、背中打ちつけたから結構痛い
レンジャーで鍛えた五感と、今のイーブイの発達した感覚で探れば…!
ジュンサーさんのガーディが捜査している時みたいに、嗅覚でコトマさんを探そう。
くんかくんか…
うーん…こっちだ!(左折)
方向を決めて走り出した矢先だった。
「ウキャアアアアアアアア!!」
ズバアアアン
 
猿系統のポケモンの鳴き声と、爆発音が町中に大きく響いた。
建物を挟んだ先では煙が上がり、焦げ臭い…
 
コトマさんが向こうで戦っている!
私は火の回りに注意しつつ、人間が通るのに苦労しそうな狭い隙間を駆け抜けた。
 
すると、特徴的な尻尾と髪型の赤いポケモンが何かに向かって身構えていた。
きっとさっきの爆発の張本人、バオッキーだ!
普段温厚で穏やかな顔をしてるけれど、怒った時は噴火寸前の火山みたいになる。
いや、さっき噴火したばかりね…!
私の視線に気付いたらしく、鼻息を荒くして睨みつけてきた。
 
「なんだぁチビめ、テメェ人間の手先か…?」
 
手先?野生のポケモンは私のようなポケモンをそう見なす習性なのかしら…
でも。
「私は手先なんかじゃない!」
力一杯言い放った。コトマさんはポケモンをそんな風には扱わない…そう信じている故の答え。
 
次は私が質問した。
「さっきの爆発は…キミなの!?」
彼の口振りと態度からして明らかだから、正しくは「何故こんなことをしたの?」と聞くべきかもしれない。
 
しかし答えを聞く前に、心配すべきことがあった。
コトマさんはどこに?
バオッキーの背後には壁が崩れ燃えている家が…
まさか…!?
 
「喜べ、この俺がポケモンの敵を始末してやったの…」
バオッキーが答え終えようとした瞬間だった。
崩れ重なった木材が突如飛び散り、バオッキーに幾つか破片が直撃した。
「ウキャッ!?キィッ(ぐあ!?馬鹿なっ…」
「こん位で死ねるかよッ!!」
瞬時、ビショビショになっているコトマさんがバオッキーに拳を直撃させた!
 
「ぶいい!(コトマさん!」
バオッキーを向かいの壁に叩きつけ着地したコトマさんに、私は慌てて駆け寄った。
 
あんな燃えてる木材の下敷きになったのに…濡れてるおかげか、あまり火傷してない。
そう言えばこの町の民家には水がめを置いてる家もあったっけ…
 
けれど頭と足に傷を負ったようで流血している。
「さくら…大人しく留守番しててくれよ…」
呆れたような声で苦しそうにその場に膝を付いた。
 
一方のバオッキーはめり込んだ壁から脱出し、
口に溜め込んでいた炎を吐き出してきた。
 
「チッ!」
コトマさんが咄嗟に私を抱きかかえて横転し、技を回避した。
 
こんなボロボロなのに、スゴいタフ…
って感激してる場合じゃない。今度は私が戦う番よ、コトマさんの…パートナーとして!!
 
私は前に飛び出し、バオッキーに対し低く構える。
「チビが…丸焼きにしてやる!」
「体格差だけがバトルじゃないんだから!」
 
しかしコトマさんは戦闘指示を出さなかった。
「よせッソイツから離れろ!」
そんな、どうして…!?
戸惑った私に向けて、相手は再び火を放つ。
バックステップで回避した後、距離を詰めようと接近を試みようとしたその時だった。
バオッキーがジャンプをしながら乱れ引っ掻きを繰り出してきた!?
相手の射程圏内から逃れようと回避しても、
追い掛けながら連発してくる。
スピードは多分、前にイクサ場戦ったニンマル以上…
場所も狭いので思った様には逃げられない…!
 
もう爪が目前に迫り、避けられないと思った。
 
 
でもこの後、戦いは更に激化したのです!!
 
 
46話に続く
 
あとがき
50話まであと少し…でも今年中には無理そうですorz
スイマセンまた相手が乱れ引っ掻き使いになってました((キリも悪い
いや、ニンマル覚えてる人いないか…w
一応補足ですが、バオッキーが放つのは弾ける炎で、直撃する寸前にコトマさんは設置されていた水がめを壊して自らを水遊び状態にしたようなもんです(え
 
さて、火事が広がる前に2人はバオッキーを倒せるのか…!!
 
 
余談、
かのブイと矛盾が生じない程度に保気魂をリメイクしようかと考えましたが、
星の調査団の名前が出ている以上ほぼ無理なことが発覚((