猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第36話

〜前回のあらすじ〜
ニンマルはまだ攻撃技使ってない件(え
 
第36話
「マジハート蹴り」
 
 
タイプ一致の電光石火をまともに喰らい、フラつくニンマル。
 
見てて、ちょっと苦しそう…
「ね、ねぇ、大丈夫…?」
 
「あ゛…!?クソッ!ナメやがって…!!」
バッ
重そうに体を持ち上げ、寄ってきた私に飛びかかる。
 
「な、何やってんだ下がれ!」
焦ったコトマさんの声が耳に入り、
私はとっさの回れ右と同時に電光石火で逃げようとした…が
 
 
「いけぇニンマル!『連続斬り』だ!!」
 
ヒュッ
 
ズスッ!
鋭い刃が地面に突き刺さる音がした。
 
電光石火を出しそびれたものの間一髪前転で、
もう一方の爪から放たれた2発目も思いっきり横転してかわし、
相手の射程距離から離れた。
 
ダメージは避けたので安心していると
 
「何やってんだ、敵に無防備に近づく馬鹿があるか!」
 
やっぱりコトマさんに怒られた。
私は相手が心配でつい…
 
 
「ったく、ヒヤヒヤさせるぜ…」
呆れられてしまったが、視線はニンマルの方にあった。
 
「さくら、これは痛めつけたりするための戦いじゃねぇ…
けど、手ぇ抜くのも危ねぇんだ!」
 
私の背中に、コトマさんの言葉がズシリとのしかかった。
 
でも、この重みは押し潰すためにあるんじゃない。
自分を生かすため……
 
そう考えてる内に、相手が一直線に向かってくる。
 
突っ込んで行きたいけど、下積みポケモンとは言え相手は忍…
「影分身!」
 
中距離で突然姿を消し、
分身を6体に増やして、円を描くように私を取り囲んだ。
 
ニンマルが1匹、ニンマルが2匹……
いけないメリープ数えじゃない。
オマケに数体が跳ねながら場所を移してるから、
数がどんどん増えてくように見える。
 
コトマさんは少しも慌ててる様子は見せない。
策があるの…?
 
 
「今だぁ!」
短パン君の叫びと共に、時間差でニンマルとその分身が
見切る時間を与えず飛びかかる。
 
この中のどれかに本物が…!
 
「さくら、思いっきり後ろに足を突き出せ!」
 
咄嗟に反応し、人間で言う『後ろ蹴り』を出すように、右足を蹴り上げた。
 
バシッ
「うぐあ!」
 
振り返りきれず、ヒットした瞬間は見逃したものの、
顔面、上半身を捉えたときのようにニンマルが縦回転に転がっていった。
 
指示と、攻撃までの時間はほんの僅か…
コトマさんは目で見切ってたの!?
「うわっ、コト兄の反射神経ズリィ!!」
 
「はんそくはんそくー!」
▼子供達のブーイング!
 
 
「若干のカンと、相手の癖を見抜いただけだっつーの。
そもそもイクサはポケモンだけでやるもんじゃないだろ?」
 
▼コトマさんは冷静に対処した!やっぱりかっこいい
 
でもまだニンマルは立ち上がれた。
 
「ぐっ…そぉっ、意外とやるじゃ…ねぇか…!」
 
「…まだやるの?」
いつの間にか私にしては偉そうなセリフに
でも、あと一発で倒れると見てわかった。
 
先程の奇襲を警戒して、ある程度距離を置く。
 
 
相手の今のスピードと、互いの攻撃範囲からして、
私に分がある。
 
 
剣道部所属だったから、ベストの間合いを見つけるのには
何となく慣れているのだ。
「まだだ!いけぇニンマ…」
 
「『メロメロ』で仕上げだ。(指パチ」
 
「ぶいっ(それっ」
 
私はハートの弾を1つ飛ばし、ニンマルに直撃させた。
 
「に、ニンマルッ!!」
 
完全に目がハートとなり、
酔っ払いかのようにふらついてよくわからない動きをしてしまっている。
カンタンに言うと、回避率が上がらない『千鳥足』ね。
 
「どーだ、まだやるかー?」
コトマさんは余裕の表情で短パン君を見ていた。
 
 
歯ぎしりをして下を向いている。
「だぁあーっ!チクショウ、降参だ降参!!」
 
じたんだ踏んで彼は怒鳴った。
 
 
…やった…、勝ったぁ!!
 
 
 
37話に続いてしまえー!(ピロロロ…
 
あとがき
 
初試合がまさかの相手の降参(え
 
さくらちゃんは多少優しさ故の
自滅行為に走りかねない面があるようです。
 
これが今後どうなっていくか…
 
ちなみに、コトマさんはイクサのセンスが相当なもの。何故でしょうね…?
 
以降はイクサ回数も増やすつもりですし、敵のレベルも上がる予定ですが、
さくらちゃんのスキルを磨く回も必要ですね。
(掃除とかね)
 
さて、次回はどうしよう…