猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第41話

〜前回までのあらすじ〜
パジャマコトマさんはカッコ良く決めることはできなかった(
 
第41話
「かっ飛ばしイーブイ
 
 
私達は昨日の様に町のイクサ場に立っていた。
違うのは、戦う目的、相手…
やって来て3日しか経ってないのに私はこの町の命運を託された。
負ければこの町は賊の拠点にされる…
賊自体がどれ程の規模かはともかく、絶対守らなくちゃ…!!
 
「さくら、とりあえずあの角材君とはあまり戦わない方がいい。
組み合わせ的にはわたあめがやられないようあの鳥肉をかじってくれ」
 
イマイチ締まりの無い助言だけど、しっかりやろう…ついでに、かじりたくはない
 
「さくらさん、アイツらは俺への対策でムックルを連れてきたと思うッス!
多分新米だから連携は大したことないッスよ!」
 
「え、じゃああの人(賊の小柄な方)って…」
「前は別に相方がいたッス…今は居ないみたいッスけど」
 
トレーナーは相手の戦法を研究して、相性の良いポケモンを準備するのは当たり前だけど、
彼らのようにポケモンを悪行に使う輩はどうなのだろう…。
モンスターボールが無い時代となると、よほどの信頼が無い限りは…
 
決め付けてるワケじゃないけど、正直悪い予感しかしない。
 
戦法だって気をつけないと…
 
「うらぁああ!」ズシン
「!?」
開始合図無しにドッコラーが先制で縦振りに角材を降ろしてきた!
やはり相手は堂々戦うつもりは無いのね…!
 
そしてもう一匹、急襲が得意なのが…
「オラオラぁ!その綿毛全部削いでやるぜー!!」
 
相方のムックルが上空から『翼で打つ』を急降下で繰り出しては
また上空に逃げる戦法を繰り返している。
「ひぇぇええー!」
わたあめ君は苦手な飛行タイプを前に引け腰になってしまい、防戦一方だった。
これじゃ相手の台本通り…!
「!相手をよく見て!タイミングを掴めばワンパターン戦法は抜け出せるわ!」
 
「や、やってみるッス…わあああ!」
慌ててしまい逃げ惑うだけになってしまっている…
 
「さくら、わたあめが囮になっている今だ!」
コトマさんの指示が飛び、私は空中の相手に電光石火で迫った!
 
…が、ムックルが少し羽ばたいただけで簡単に射程距離から逃げられてしまった。
着地して次のチャンスを窺うことを考えた矢先だった。
 
「かかったぜ!先輩今です!!」
ムックルが地面に向かって叫んだので着地点を見ると…
 
「いい球だ…」
 
「!まずい、はめられたか…」
 
強く体をひねり全身に力を込めたドッコラーが蹴りを構えていた。
 
「ひゃああああ!!(悲鳴」
「喰らいな!けたぐり!」
私は着地する瞬間に体を反らし、顔面直撃を免れようとした。
 
ドゴォッ
 
「か…ぁッ…!!」
蹴りは私の腹に垂直に食い込み、そのまま勢いで空中へ吹き飛ばした。
 
気絶こそしなかったけど、痛くて体勢が直せない。
ああ、この高さから落ちたら流石に…
 
ぼふっ
 
…?突然心地よい何かで衝撃が和らぎ、そのまま埋もれた。
これは…?
 
「さくらさん!しっかりッス!!」
「ナイスわたあめ!」
 
わたあめ君が地面スレスレでキャッチしてくれていた。
何とか身動きが取れるので降りようと体を捻ると
 
「ぐっゲホッゲホッ…!」
苦しっ…かなり食い込んだようで重い痛みを感じる。
そのままわたあめ君の綿から転げ落ちてしまった。
「大丈夫ッスか!?…スイマセン、俺のせいで…」
「大丈夫…ちょっと焦っちゃっただけよ。」
 
「ふんッ、コトマァ、
そんなチビ公でイクサしようたぁ百億光年早いんだよ!」
「兄貴ぃ、光年って時間じゃないですz」
「うっせえ!細かいこと気にすんな!」
 
くぅ…一撃加えたからっていい気になって…!
でもこのままやったら負けちゃう……
何とか向こうの連携を破らないと。
 
「今のは痛手だな…何か考えねーと。」
コトマさんも眉間にシワを寄せ、策を立てようとしている。
 
「わたあめが使える技は…」
大家さんは慎重に考えている。
そう、まだ攻撃技を出してないわたあめ君には充分打開策を導き出す余裕がある…
 
「…!あったな、ベストな技が…!」
パートナーではないコトマさんが先に浮かんだようだった。
 
 
‐次回、もふもふの反撃はここからだ!!‐
 
 
42話へ続く
 
あとがき
ラストの文章は某イェーガーさんを意識しました((
蹴手繰り一発でも現時点でさくらちゃんには致命傷です。
垂直角度で渾身の蹴り…ああ恐ろしい。でも体重の軽さに助けられますw
 
そして性格が臆病だったわたあめ君。
次回挽回なるか…。
 
この小説ではゲーム本編で起こり得ない現象がよく出ますが突っ込まないように((
 
だいぶ時間が空いてしまいました。
待っていた皆さん、どうもスイマセン!