〜前回のあらすじ〜
大家さんのブラッシング講座開始!
その助手として…?
第20話
「わたとわたし」
「はーい、今行くッスー!」
大家さんがそのポケモンの名前(わたあめ)を呼ぶと、返事がきた。
数秒後、窓側付近に何かいることに気づく。
窓を覗くと、クリーム色の柔らかい雲のような物体が…!?
「あ、窓の鍵閉めてた。」
コトマさんがそう言って窓を開け放つと…
ビュウッッ
部屋の中に旋毛風がっ!!
風は大家さんの方へ突き抜けて行った。
彼女の足元を見ると…。
「コトマさんの部屋、今日はあまり散らかってないッスね…」
わたあめとは、エルフーンの名前だった。
も、もふもふ…っ…
凄くもふもふぅーーーっ!!
「いきなりで悪いんだけど、コトマにブラッシング教えるから、練習に付き合ってくれない?」
「はいッス!」
もふん
返事して頷いただけで揺れるもふもふ…
もうダメっ!!
ギュッ
「でも、何で急にブラッシングを…ってうわあ!?」
「にゃあああもふもふぅーーーっ」(ポケ語)
私はわたあめ君の綿毛に埋もれて、感触を味わった。
ああ、幸せ///
「止めんか。」
しかし、コトマさんに尻尾を掴まれて引っこ抜かれた。
「さくらちゃんもコイツの綿毛の虜になっちゃったかい?w」
「び、びっくりしたッス…(汗」
「ご、ごめんなさい…余りにもふもふしてて…」
「まぁ、この手のことは慣れてるッスよ……って誰ッスか?」
そうか、ごもっともな質問である。
「あ、この子はイーブイのさくらちゃん。
コトマのヤツが女にモテないからペットで気を紛らわ…」
「そんなんじゃねーから?」
首を傾げてたわたあめ君に、先に大家さんが紹介してくれた。
「は、話の後半はともかく、コトマさんのパートナーポケモンッスね。
俺、わたあめッス、よろしくッス!」
「よろしくね!」
私も笑顔で挨拶を返した。
私達2匹(と読者のみなさん)にしか伝わらない会話をしてる内に、2人はブラッシングの準備をしていた。
「何だかわたあめ君のブラッシングって大変そう…」
「お察しの通りッス、時間がかかるッスよ。
でも、食堂の手伝いをするから、清潔感が大事ッス!」
誇らしげなポーズをするわたあめ君。
「(現時点でもコレが整っている方なのね…。)へぇーっ、料理作るの?」
「お、俺、炎が苦手ッスから…( ̄○ ̄;)
掃除と皿洗いぐらいッスよ。」
「あ、そっか…。でも凄いね。」
今の所、不思議と自然な会話ができている。
思えば、『ポケモンと人間の会話』はテレパシー関連の力を持つ存在しかできないのに(しかも極少数)、
実質、今こうして簡単に実現してしまっているとは…
グラエナに襲われてた時は怖くて、殆どそれどころじゃなくなっていたけど。
凄い話だよね……。
「さーて、始めるよ!」
「おー。」
「とは言っても、簡単なコトだけど。わたあめ、こっち来て!」
「はいっ!」
大家さんの前に立ち、回れ右をする。
大家さんのお手本作業を始まった。
「エルフーンって、毛が不規則になってる感じだけど、全体のシルエットを見て整えていくの。
360゜全体から見ても、偏りが無いように…。
あとね、ポケモンごとにブラシ合ったブラシを使って…」
口も八丁手も八丁。
素早い手つきでわたあめ君のブラッシングを進めていく。
ある程度進んだところで、ブラシをコトマさんに手渡した。
「さ、やってみな!」
「おう。」
一言返事で、ブラシをクルクル回していっちょ前に構えた。
普通にブラシを動かしてるように見えるんだけど…
「ちょ、こ、コトマさんっ!オールバックにしないでくださいッス!」
「あーあー、もう、折角整ってたのにぃ。不器用というか、センス無いねぇアンタ。」
…うへぇ…
私はどうなるのやら…
あとがき
祝!20話!!
まだ2人の間柄はさほど進展してないけど((
ここまで来ました!
イタい小説ながらも、読んでくれる人がいて嬉しい限りでございます。
これからも頑張ります!
…口調でモデル人物がわかる人はわかる((「ザ、〇ォール!」
次回はさくらちゃんの毛質について(え
あ、久々にメモリが限界だ。