〜前回のあらすじ〜
レイカは『もふ受け身』を覚えた!
第10話
「命名ぶいぶい」
ふにゃああ……
結局、疲れが溜まって『もふ寝』してしまった。
やっぱり短時間じゃ立つのは難しいのかな。
それにしても…夢じゃないんだよね……。
今日1日私の周りでいろんなことが起き過ぎである。
星の調査団という謎の集団から、戦力収集の依頼が来て。世界の危機を知る。
過去の世界に飛ばされて、依頼の人物、コトマさんにもちゃんと会えた。
しかし、一つの出来事で予定は大きく狂った。
イーブイになったことさえ無ければ。
カシさんが薬なんて作らなければっ………いや、私がもっとしっかりしていればこんなことにはならなかった。
カシさんには悪いことしちゃったな……。
心配してるかな……。
〜〜そのころ、『現代』では〜〜
カシ「うーん……薬の効果がまだ出ないなー……もしかして失敗したのかなー…。これ、リポΟタンDの瓶っぽいけど気のせいかなー。…よし、材料揃ったらもう一回やろ。」
事態に気づいてなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私一人の失敗で、いろんな人達に迷惑をかけてしまっている。
どこかの世界が危機を迎えているのに、私は呑気にイーブイを演じてる場合じゃないのに……。
早く戻りたい。早く、人間になりたい!!
…今戻ったらマズいことになるんだけど。(T×T)
山の荷物、どうなったかな。非常食は食べられちゃったかな。私の服全般はホントに大丈夫だろうか。
心配なことだらけだが、今はコトマさんと上手く暮らして行くしか……
……なんだか恥ずかしい。18年生きてきて、年の差が無い男の人とここまで密接状態になったことが無いから。
学生時代のクラスメートの男子に友達はいたけど、恋愛まで発展してない。
周りから恋愛相談されたことはあったけど、いいアドバイスなんてできなかった。
イヤイヤ、マテマテ。何故私は恋愛関係の話を考えてるんだ。彼にとって、私は今のところ単なるイーブイじゃない。
そうよ、レイカ。まだこの状況に馴れてないだけで、恋愛とか考えるのは大袈裟よ!
私は広い部屋の中をメチャクチャに転げ回っていた。
「ただいま〜…」
帰って来た。しっかりして、私。イーブイとして接するのよ…。
「やっぱ、蜂退治じゃ報酬高くねーや……」
あの仕事の報酬貰ってきたのか…愚痴られてもなあ……。
「あ、そういや…お前名前あんの?」
ソイヤッ!…じゃなくて、名前ね…。今「ぶい」を連呼したら間違いなく名前が「ブイ」になる。
私は偽名が無いので、とりあえず横に首を振った。
「というか、種族だよな。何て種族だ?お前。」
イーブイだけど、「ぶい」で伝わるだろうか。
「ぶい!」
「え?1V?」
「ぶいっぶいっ!(違うっ)」
「すげーな、2Vか。」
「ぶーいっ!!(個体値じゃなーいっ)」
「その声のトーン…お前まさか6V」
何でそーなるのっ!!
名前より先に個体値ジャッジしなくても…。
「ん〜…アイツに聞いてみるか。ちょいと下行くぞ。」
下、ということは、大家さんに聞くのかな。そういえば、1階がどんなだったか見ていない。
1階に向かう際、階段を降りなければ行けないんだけど、段差が大きいので足がすくんだ。
「おーい…」
は、早く行かなきゃ…。
ズルッ
あ゛あ゛っ
「あちゃー。」
ゴロゴロゴロゴロ
「ぶぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
階段を転げ落ちるのは卒業以来だ。
が、体が軽いのでそんなに痛い感じがしなかった。
…体重が軽くなった…(≧∇≦)
いや、イーブイだからね(^w^)当たり前。
店を見ると、テーブルと椅子が幾つかあるから、食堂か喫茶店?
「さて、今休憩中だな…。うーい、入るぜ〜。」
ガラッ
「ようやく家賃払いに来たのかい」
「コイツが何の種族か教えろ。」
「先に家賃払え。」
「種族教えやがれ。」
「家賃。」
「種族。」
「ぶぃーっ!」
「6Vは黙ってろい。」
「その子にそんな変な名前付けたのかい…?」
「ちげーよ。名前付けたいから種族聞いてんの。」
「へー…、イーブイねぇ……。」
名前が決まるまで、時間はまだまだかかりそう…。
11話に続く。
あとがき
悶えて転げ落ちるレイカさん((
中途半端に終わったなー…。ちなみに、レイカさんは6Vではありません((
次回、名前が決まる?
ちなみに『もふ寝』とは、もふもふの毛で気持ちよく寝ること((
ああ、枕にしたい((