猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第9話

〜前回のあらすじ〜
『甘える』成功!
コトマの返答やいかに…
第9話
「同居には度胸が要る」
 
私はコトマさんに問い詰められていた。
「…どうなんだよ。」
 
あわわ、私…心の準備が……なんて言ってられない。しっかりするのよレイカ!依頼のために接近するだけなんだから、一時的なものよ!
…でも、人間に戻れる保証は無いし、わかっていてもやっぱり相当覚悟が要る。ポケモンという立場ではあるが、男女で住むワケだし、今裸だし
しばらく沈黙が続き…
 
「わかったよ、しゃーねぇな!またさっきみたいにみんなに勘違いされたらたまんねーしな。」
 
向こうから決めたー!!
「素直じゃないねぇ……、まあ、だらしない男だけど、根はいいヤツだから、よろしくたのむよ。」
 
「ぶいっ!?」(急すぎて動揺)
 
「面倒を見るのは俺なんだからな……んじゃ、そーいうことで。」
 
だるそうな声で彼は私の尻尾を掴み、ぶら下げて家に入った
あ、アタマニチガノボルー!!
 
何より女の子の尻尾をためらいも無く掴むなんて(もともと無いものだが)、サイテー!
 
しかし、すぐに彼は手を離し、私は部屋のテーブルに仰向けになって落とされた。
部屋の広さは男性の一人暮らしには充分なスペース…なのかな。小さくなってるから、広く感じるのかも?
「あーあ……」
彼は残念そうな、憂鬱そうな声を上げてうつむきながら、椅子に座った。私が彼に近寄ると…。
 
がしっ
また私の頭を掴み、
「ふーん……ま、確かにコイツ可愛いかな…。」
 
「///!?」
な、なんなのもうっっ!!
私は面向かって男の人に「可愛い」と言われたことはこれが初めてである。
イーブイなら言われて当たり前なんだろうけど…
 
私は目を合わせられなくなって視線を少し彼から逸らした。
ダメ……依頼どころじゃなくなりそう……(汗)
 
「なーにそっぽ向いてんだよ。ひょっとしてホントは嫌いだとか?」
不機嫌そうに聞かれた。
私は思わず必死で横に首を振る。
 
「じゃあ、何なんだよ……つか、顔赤っ。大丈夫かお前。」
私は何故かまた首を横に振った。
「イヤ、『いいえ』ってやっても顔は赤いから。ヘンなヤツだな。」
 
うう……それは、あなたのせいでしょっ!
とりあえず、何をすればいいのやら。
私は「ぶい」としか言えないから、彼から話してくれるまで、じっとしているしかない。
 
「……じゃ、ちょっと出掛けてくるから、大人しくしてろよ。」
 
「ぶい!?」
 
「心配すんな、仕事じゃねぇ。」
そう言ってコトマさんは立ち上がり、剣を置いてどこかへ行ってしまった。
 
…助かったのだろうか。コトマさんにここまで接近できたのはいいけど…。
何をすればいいのやら。
イーブイなら主人が帰ってくるまで何をしているべきだろうか。
お留守番は、家を荒らさない限りは何をしても成立する。
 
とりあえず、イーブイの体でどこまでできるかを試してみよう。(家を荒らさないように)
 
よし、まずは二足歩行だ。
テーブルの脚につかまり立ちして、そこから手を離す。
ふ、ふぬぉぉぉ!!
手を脚から離せないー!!いきなり壁にぶち当たってる。このまま手を離せば間違いなく前方に倒れる。
いや、少しでも人間の頃との差異を無くさなければ、人間に戻った時に困るかもしれない。
 
頑張って左手から離すけど……
「ぶいぶいぶいぶい(ムリムリムリムリ)(・д・;)」
またつかまってしまう。こ、怖い。今の体勢もかなり不安定である。
しばらくして、私は両足にかつて無い程の力を込めて、一気に両手を離すことにした。
どうせなら思いきりやってやるぅ!
 
私は前足で強くテーブルの脚を押し放した。
が、強く押しすぎたせいで体勢を崩してしまう。そのまま私は仰向けに倒れ……
もふっ
 
ああ、何ということだ。尻尾と首周りの毛がクッション代わりになるとは。
人間の技能を取り戻す前に、イーブイの技能を磨いてしまった。
いや、今後何かあるかもしれないから損じゃないか……。
まあ、いい受け身の手段を見つけたので、練習再開だ!
 
あ、でも、やっぱり怖い。『もふ受け身』があっても不安定なのは変わらない。
震えながらも、私は立つことを諦めずテーブルから手を離し、足の力を空回りさせた。(すてーん)
 
いつの間にかもふ受け身の練習になってた。
 
第10話に続く
 
 
あとがき
もふっ(殴
今回はいいガード技を習得しましたね(笑)。
てか、年末から書いて、次はもう10話か…!?
えーと、こんな変態の書く小説に付き合ってくれてありがとうございます。
今後ともレイカさんのリアクションにニヤニヤしていただければ幸いです。((
そういや、カシさんと大家さんの設定画がまだ無い。(おい
 
近々描こうかな。
 
次回、……………もふぅっ((何