猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第7話

〜前回のあらすじ〜
依頼の目的の人物、コトマに二度も助けられたレイカ。さて、このあとどうなる…?
 
第7話
「ノックは二発以上打たない。」
 
緊張の糸が切れて座りこんでると、コトマさんが歩み寄ってきた。
「ったく、危ねぇヤツだな…。ま、いい囮役だったよ。」
一応、私は役に立った…のかな?
そう考えてたら、彼は少し笑って私の頭を撫でた
 
ちょっ…!///
「ぶ、ぶいぃ…(み、見つめないで…)」
は、恥ずかしいというか、何というか。父以外の男の人に頭撫でられたこと無いもの。
さっきからやたらドキドキしてしまう…。
 
「んじゃ、俺も帰るわ、バイバーイ。」
そう言って彼はもと来た道に向かって歩き出した。
はっ!いけない!依頼のこと忘れてた!
私は慌てて彼を追う。
「ぶいっ!」
「あん?俺食べ物持ってねーよ。」
そうじゃなーい!というか、追いついた後のことを考えてなかった。どうしようか…?せめて、住所を知りたい。
 
「迷子だったっけ?まあ、町まで案内してやるよ。」
…私は未来のこの山の付近の研究所に住んでます
なんてどう伝えたらいいのやら。
彼は何も言わずに、山道を降りて行く。私は後ろからついて行くしかない。
…でも、町ってことは、コトマさんが住んでる町なのかな。
この山から一番近い町なら、私の通ったレンジャースクールがあるあの町だけど…
「さっきのスピアーだけどよ。」
彼から話かけてきた。彼の仕事は無事終えたワケだけど…。
「山奥で暮らせばいいのに、ふもとで卵産んだバカがいるからな…。農夫がそれを駆除しようとして…そっからオタチごっこだよ。んで最終的に俺任せさ。」
 
ポケモンと人間はこんな対立があったんだ…。
現代から来た私にとって、信じられないことばかりである。助けられたとは言えど、ポケモンに実力行使するのも、正直ひどいと思った。
人間ばかりが悪いとは限らないけど…。
 
「ま、しばらく人は襲わねーだろ。町にも、山に近づくなって言えばいいし。」
…彼はどうして私にこんなこと話すんだろう。
私も今はポケモン…人間の敵だから?
 
「さーて、もうすぐ町だぞ。」
しばらく無言で歩いてたら、いつの間にか山道を抜けていた。
周りに田畑が広がってる。道なりに進んで行くと、私にとって思い出の町があった。
 
〜〜カラカゼタウン〜〜
建物の造りは違う場所もあるけど、雰囲気は変わらない。(田舎だから元々ほぼ木造建築だけど)
 
「さて、ここまで来りゃあとはわかるだろ。じゃーな。」
「ぶい〜(・∧・`)」
相変わらず冷たい…。私はまた彼に抱きついた。それだけじゃ足りないだろうから『尻尾を振る』でアピールした。
すると…
「お前…捨てポケ?」
私は反応に困ったが、実質誰のイーブイでもないので、私は頷いた。
しかし、彼の反応は更に冷たかった。
「そか、まあ、悪さしなけりゃお前なら拾われるだろ。」
ヒドイ(;ω;)
「ぶーいっ!」
私は必至に彼の足にしがみつく。
「ゴメンな、ウチペット飼えないんだ。母ちゃんに怒られちまう。」
 
絶対嘘だっっ!!(-д-#)
私は締め付けるようにしがみついたが、彼は足を乱暴に振り回し、私を振りほどいた。
「ぶいっ(痛っ)!」
「さよーならっっ!!」
彼はダッシュで街中を走り抜ける。ここまで来て見失ってたまるか!
私も必至で追いかける。
「ぶいぶいぶいーっ!!」
「ヤメロチビ猫…アレ?チビ犬?ってかどっちでもいいから来んなーっ!!」
 
走ってる途中、町の人達が「やだ、あの子捨て犬?」
「いや、猫じゃない?やーね、最近の若い人は……」
と話すのが聞こえた。まあ、そう見えますよね(汗)
しかし彼は「違うんだよ!コイツを養える程の金が無いんだよ!」
養う気も無いクセにっ。
 
「自分がロクに働けてないの正当化してるよね。」
町の人が更に追い討ちをかけた。
 
「ちっがーう!!ってかいつまで追っかけてくんだテメェ!!」
怒った顔でこっちを見ながら走り続ける。彼はどこまで行くつもりだろう。
しかし、やはり彼の身体能力は高く、全力で追っても差が縮まない。
私の方がまたバテてきた。「ぶいぃ…(待ってぇ)」
彼は2階建ての建物の階段を駆け上って行った。ここが彼の家なんだな。
早く追わないと…、と思ったが階段がデカい。背が縮むとこんなところでも苦労するのだ。
一段ずつ跳んで登るのだから、大変だ。
しかし、登ってる最中に『ピシャッ』と、閉まる音がした。
(待ってー!!)
階段を登り切り、急いで戸の前まで来たけど、見事に閉まっている。
 
……こうなりゃ叩こう
私はまず後ろ足で立ってもたれかかり、前足で戸に向かって…
バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ……
 
このあと、私はばしーんされます
 
 
8話に続く。
 
あとがき
バシバシw((
イカさんはウブと言うか、ピュアと言うか…。まあ、可愛い人です(殴
町の名前を決めるのに時間がかかるという…。
 
P.S.
本体修理の依頼出しました。その内、任天堂から送る用のダンボールが届くんだとか…
よくわからん((