〜前回のあらすじ〜
コトマさんはオールバック主義者ではない。以上!(え
第21話
「今日はあの人は「髪切った?」なんて言わないだろう」
ブラッシングセンスの無さが光るオールバック具合。
私は思わず…
「…ぷぷっ」
「あっ!わ、笑ったッスね!?好きでこんなん…」
チョコ味の柔らかいスポンジケーキみたく、わたあめ君の顔が膨れる。
「ご、ゴメン!つい…
にしても、コトマさん、ヒドいね。私でもあんな…」
「え、さくらちゃんって元野生じゃないんスか?」
「あっ、えーと…、」
「?」
い、いけない…。言葉が通じるから油断して、怪しまれるようなこと言っちゃった…( ̄∀ ̄;)
「あ、ち、違うんだけど…ブラッシングは昔見たことがあって、それでちょっと覚えたみたいな〜…
私、野生よ!」
「ふーん…この町でフラフラしてる野生のポケモンは追い出されるかもしれないのに…」
うひーっ、誤魔化すの大変。
他のポケモンと今後会うかもしれないから、
本当にポケモンになりきった考えでいかなきゃ。
生い立ち(偽造)とかも…
応答に苦労している内に、わたあめ君はブラッシングされて、ふわふわの丸い雲に戻った。
「またわたあめをオールバックにされたら困るから、
今度はさくらちゃん、カモン!」
うへぇ…
「ぶい…」
「アイツ(わたあめ)が難しかっただけだって…
でもお前も猫っ毛だしな…w」
「あらホント、ちょっと野生の名残とは別な感じかしら?」
コンプレックスなのであまり指摘しないで…(泣)
いつかサラサラになってみせる。
サラサラ王に私はなるッ!!
「握り拳作ってないでとっとと始めるぞー」
グイッ
コトマさんは私の頭を鷲掴み、無理矢理回れ右させられた。
ブラシを構えるコトマさん、それを真剣に見守る大家さん。
……あの…威圧感がスゴイと言うか…、ぶ、ブラッシングですよね?
毛皮を剥ぐとかそんなんじゃないですよね…?
わたあめ君は両手で目を塞いでた。
あ、同じこと考えてたのかな。
とか考えてる間にブラシが入る、けど…?
グッ
「? どしたの?」
「…ぬ、ぬけにn、じゃなくて、抜けねぇ…(汗」
あ゛あ゛、
絡まった。
「ジャングルでブラシが遭難、救助に向かう。」
グイッ
いだだだだだ!髪が千切れるううう(泣)
「こぉらあっ!森林伐採反対!(`□´)」
変な会話はいーからッッッ!!
ズボッ
ぬ、抜けた…( ̄○ ̄;)
怖かったあ…(´;ω;`)
「さくらさん、大丈夫ッスか…?」
「うん…」
大丈夫じゃないにゃー。
髪は女の命なんだからあ!もっと大事にしてほしい…
「ブラシが合わねーのか?」
「うーん…、そんな筈は…」
私の毛質を確かめ直すように大家さんが私の頭を撫で回す。
「でも、この子のためにも、このブラシは止めた方がいいかも。」
「ま、そーだな。自然体が一番だ。」
この言葉を聞いて、ほっとしたような、見放されたような…。
「あ、毛繕いとかイケるんじゃね。」
「それよ!」
ぷぎゃーっ///
そんなに本格的に私のクセ毛を手入れしなくても…
…でも、ちょっとやってほしいかも…
「イーブイの習性にあるのか知らねーが、まあやってみっか。」
私の頭に、さっきの背中の手当てをしてもらった時と同じ感触が甦る。
あの男の人らしいちょっとごつい感じだけど、少し温かくて、不思議な安心感がある手…
なんだか………うっとり…。
髪型がどうなってるかなんてどうでもいい気分になってしまった。
この時間が長く続いてほしいな…
「あ゛」
「どした?」
コトマさんの手が止まる。
「絡まった」
ああああああ!!
…そこまで私はジャングルですか。
迷宮ヘアーですか…(°□°;)
コトマさんが慎重に指を抜こうとしてるのが伝わるけど…
「あ、数本抜ける。」
あれ、さほど慎重でもなかった。
プチっとした痛みを負いながら、指は脱出完了した。
その後、私の髪が侵入不可区域に認定されたのは言うまでもない。
22話に続く
あとがき
キタヨ夏休めない((
成績ピーンチ。しかし、小説は書く(バカ
今回のタイトルの由来は27時間テレビのあの人です((
見るヒマさえ無さそうだが。