〜前回のあらすじ〜
仕事に協力するハメになったレイカ。ターゲットとは一体…?
第6話
「吾輩はイーブイである。技はまだ無い。」
「あとはこうすりゃ…」と、彼は周りの木を蹴りだした。
ドンッガッ、バキッ…
「あ」
枝を折ったのは計算外だったようだ。
ていうか、何てヒドいことを!私が人間の姿で居合わせてたら、ゼッタイ竹刀でビッシバシよ!!
そう思って見てると、彼は木を蹴るのを止めた。
「おっ、そろそろ来るな。」
え…
ブーン…
低く唸るような音が前方から響いてきた。ま、間違いない、虫ポケモンの羽音である。数も多い…軍団で来てるからこれは確実に…
「むしむし暴走族と言ったところかねぇ、コリャ。」
スピアー「おうおう、んだコラテメェらァ!!?」
大量のスピアーが姿を現し、あっという間に囲まれて逃げる隙が無くなってしまった。
「ブンブンうっせーな。人里襲いやがったクセに。」だから彼等は依頼のターゲットになったんだ…。
でも、この山の近辺の住人が原因にはなってないのかな…?そう考えてると先頭のスピアーが
「貴様ら人間が我々を煙たがり、害虫扱いして先に攻撃するんじゃないか!!我々の子供を返せ!!」
かといって、人間のワガママのせいで子供を失った上、害虫扱いされる彼等も気の毒である。
私は少々戸惑ったが、今この青髪の人がもし死んでしまっても困る…ので、人間側につくことに。
「死神コトマ…貴様の伝説もここまでだ!!やれぇっ!!」
やっぱりこの人がコトマさんなのかと認識した瞬間にスピアー達は一斉に私達目掛けて飛びかかって来た。
「オイ、こっちだ。」
彼は私を見てそう言った瞬間、猛スピードで群れの中に突っ込んで行った!
「(えええ!?)」
驚きながらも、彼と同じルートで私は走ってスピアー達の攻撃を避けていく。
彼のスピードは人間とは思えない程で、中には驚いて自分から避けてしまうスピアーもいた。
しかし、彼の前方から真っ直ぐに飛んでくるスピアーが!
危ない!と思った瞬間、彼は飛び上がってスピアーの上を取り、そのまま頭を踏みつけて更にジャンプした。
人間離れした技に驚いていると、空中で自由の利かない彼を数匹のスピアーが囲んだ。
…あれ?私には飛んで来ない?相手にされてない?
そう思っていると、彼は剣を鞘から抜かず、右手でそのまま放り投げた。
剣はブーメランのように回転しながら上方のスピアーを弾き飛ばしていく。
そして、落下中に横や下からくるスピアーは、回し蹴りや素手でなぎ倒していた。
乱舞しながら着地し、落ちてきた剣をキャッチした時には、既に十数匹のスピアーが気絶して落下していた。
「ぐっ…!おのれ…!」
たじろぐスピアー達。着地したコトマさんに私は駆け寄ると、
「そういや、お前は何か技あんの?」
と聞かれた。あ、私は今ポケモンだから技が使える?でも、どうやって使うんだろう…(汗)
できたとしても多分…
「まさか、体当たりと鳴き声と尻尾を振るだけとか?」
図星だ。恐らく電光石火はギリギリ出せない。
「何だァ?死神にしちゃカワイイ下部がいるじゃねぇかギャハハハ!!」
1匹のスピアーが私を見て笑った。
ちょっとむかっ?
「下部じゃないわ!パートナーよ!!(組んで10分弱の)」
思わず私は反論してしまった。しかし彼は
「どうした?チビ犬。」
なっ…!
「オイオイパートナーに犬扱いされてるぜアイツwぶっはははwww」
(T言T)←悔し泣き
イーブイだからってみんな揃って馬鹿にして…!
「ぶいーっ!!(レイカ、行っきまーす)」
「あ、バカやr…」
人生初のイーブイ体当たり!…が
あっさりよけられ、
「ばーか♪」べしっ
「に゛ゃっ!」腕の針であっさり地面に叩きつけられた。
「オラオラどーしたチビ犬〜w」
(;皿;´)うぐぅ…
何て悔しがってる場合ではなくなっていた。
「あのバカ犬…」
私も攻撃対象になっているので絶賛包囲中だ。
「ひゃあああ!!(泣)」
こ、殺されるううう!!
スピアー達が毒針を構え、どんどん寄ってくる…
「んじゃ、テメェからポックリ逝き…」
ズダン!!!
目の前のスピアーの隊列が一気に宙を舞った。そして、勢い良く木々に吹っ飛んで行く。
彼は剣を抜いて、一撃であの軍団をなぎ倒したのだ。
そして、剣を鞘に収めてスピアーの落下した方向に叫んだ。
「テメェらぁ!子守り位ちゃんとやれっ!!んで、何もしてねぇ人間を無差別に殺すなぁっ!わかったら帰れ!!」
「ちっ…ここは退くぞ!」
スピアー達は森の奥へ飛び去って行った…
私は緊張感から解放されて、力が抜けてしまった。
助かった…。
このあと、また色んな目に遭うんだけど…
〜7話に続く〜
あとがき
初バトルシーンでした。
技なんかロクに出なくて、解りにくいですね(汗
今後、改善したいです。
とりあえず、コトマさんは鬼強いです。((
そして、ポケモンと人間は若干対立関係にあります。この設定がどう物語に絡むやら。
では、このへんで!
また見てね((