〜前回のあらすじ〜
コトマはブイズをいじり倒し、本を借りることにした。
第13話
「盗み聞きで人柄を探っちゃダメ」
「あのー、コレ貸してくださーい。」
「はいよ、…ってコトマ君?君が本を借りにくるとは珍しいね。」
図書館のレジのおじさんが話しながら、表に借りる本の記録をする。
「最後に君が借りたのは…クッキング本だったかな…?」
「よく覚えてんな。木の実とか使うヤツのレシピな。」
「作ったかい?」
「材料集まりませんでした。」
「…w。今日はポケモン図鑑を?」
「ああ、何かよー、コイツの世話しなきゃいけなくなったんだよ。資料欲しくて。」
「ほー、随分可愛いポケモン拾ったねぇ。まあ、それで女の子にモテるかどうかわからな…」
「そういうんじゃねーよ。」
コトマさんってモテないのかな…(-ω-`)
「てかよ、誰かコイツ飼ってなかった?捨てポケみたいで…」
「いや…、わからないねぇ。本当に捨てポケかい?えらくなついてるけど…」
「え」
彼が私を他の人に押し付けないよう、『なついてるアピール』をすることにした。
…ちょっとだけ、彼の表情を見ると。
非常に憂鬱そうな、冷めた目をしていた。心の中で「嬉しくねーよ」と言ってるような…
「ま、まあ、飼い主が生きてたら、早く探してやらねーとな。んじゃ。」
彼は先程の台詞と、私のアピールのせいか、やや急ぎ足で図書館を出た。
「ったく、人前でヘンなコトすんなよな…。」
呆れられてしまった。マイナス効果だったorz
また家に向かって歩きだすと、茶髪のおさげの女の子が私達の方に寄って来た。
「わー!かわいー!この子、コトマお兄ちゃんのパートナー?」
その女の子は5、6歳くらいで、私を連れている彼に対し、羨ましそうに話す。
「非常食かな。」
「えっ(・◇・)」
この人はまたこんなことを…!ちょっと足をつねってみたが効果が無い。
「欲しけりゃやるよ。グレイシアにすりゃ、髪型お揃いだぜw」
「ホント!?…でも、お母さんがポケモン嫌いだからなあ…。それに…」
「?」
「その子、お兄ちゃんじゃなきゃイヤみたい、そう見えるの。」
わ、私はまだ何も動作してないのに…
「なんか、みんな揃って言うんだよな〜…」
「ふーん。あ、おつかいの途中だから、そろそろ帰るね!ばいばい!コトマお兄ちゃん、非常食ちゃん!!」
「ばいばーいww」(笑いを堪えようとしてる)
「…(゜ω゜;)」
純粋過ぎる子だなあ…。とりあえず手は振っておいた。
「あの子じゃなくて良かったのか。」
「…。」
彼はまたドキッとする質問を…私はゆっくり頷いた。
「…変わったヤツ。」
そうは言っているが、どこか安心した顔をしている気がした。
素直じゃないな…。
そうこうして歩いている内に家に着いた。が…
「バレねえようにな…。」
大家さんをバリバリ警戒していた。私は階段を上るのに足音は出ないけど…。
コトマさんは慎重に階段を上る。1段1段上るのに全神経を集中させてるようなゆっくりペースで。
しかし、
「ただいまくらい言いな」
「ぶぶいぶい(ただいま」
「ただいm…」
ブンッ
ズシャアン
一本背負い炸裂。ナゲキ顔負けレベルの勢いでコトマさんは地に叩きつけられた。
「本は借りたのかい?」
家賃のことは、きっと表には出さないんだな…( ̄∀ ̄;)
「イデエ…本は借りて来たが、いきなり何しやがる♀ナゲキ」
※ナゲキは♂のみ存在します。
げしっ、ばきっ
に、二連回し蹴り…お、大家さん!
「ぶぶいぶぃ!!(やめたげてよぉ」
コトマさんが言った悪口もヒドいが、私はいつの間にか半泣きになって大家さんに訴えかけた。
「あらあら、泣くんじゃないよ…。ま、ちょっとやりすぎたけど、アイツなら大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃねえ…」
ぐったりしたコトマさんが低く声をあげる。
「返事できんなら心配いらないね。さ、この子の名前決めてやろうじゃないかい。」
そう言って大家さんはコトマさんの肩を抱え、店に入っていく。
少々不安だけど、私は二人に続いて店に入った。
私の名前も正直不安である。
14話に続く
あとがき
今回は大家さん以外の人間もだしましたw
おじさんと少女の名前も未定です。やはり、主役のやりとりだけじゃ物足りないので。
ただ、また名前決定が先延ばしに…。焦らし上手?(違う
これからも個性的なキャラを考えていきます。
名前決定はもう目前な筈((え