猛進ばんきち兵団!

ーこれは、疾風怒濤ポケモンバカの七転八倒劇ー

小説第47話

〜前回までのあらすじ〜
火災の原因であるバオッキーを何とか倒したんだけど…?
 
第47話
「ことまぷんすか」
 
「さくらッ!!お前逃げろって言っただろ!!」
 
ひっ
 
うぅ…コトマさんの心配を無視したのと同じだから
怒って当然だよね…
声が怖くて彼の顔を見上げることができなかった。
(ゲンコツ覚悟しておこう…
 
ガシッ
「きゃうっ…?」
 
「ったく…怪我したら面倒だからよ…
もう無茶すんじゃねーぞ」
頭を強く掴んだ後、それだけ言って
火事が起きてる建物に向かって行ってしまった。
 
私は許されたのかな…
声や顔からしてもっと強く怒られるかと思っていた。
今は火災を止めなきゃならないというのもあるんだろうけど…
……(・o・)……
予想と違ってテンパってるようで、水がめの水を手で必至に掬ってはかける無駄な行為を繰り返していた
ちょ、ちょっと落ち着いて!
気まずいけれどコトマさんに駆け寄り、何か容器を探した。
こういう時、私がシャワーズだったら大助かりなのに…
水タイプと言えどケローガー君一匹では消火はキツい。
 
…こうなりゃ私がめいいっぱい水を口に含んで、吹きかける方法で…!
んぐんぐんぐんgゲェホッ!!(むせた
 
「ケローガー!コレ食え!」
合流したエイト君がパートナーに向けてヒメリの実を投げ、
ケローガー君は長い舌を伸ばして瞬く間に食べた。
PP回復のためだろうけど、ひょっとして売り物じゃ…?
 
水鉄砲が勢いを取り戻し、放水が進む。
 
私はもう一度水瓶に向かったけど、
今度は水がまとまって持ち上がった!
「ふびゃあ!」(+O+)
ざぱーん
 
顔に直撃した後、水が大きな渦になって、燃えてる家に突撃していく。
振り返ると、大家さんとわたあめ君も駆けつけていた。
 
幸い燃えてる建物はそんなに多くはなく、
数分後には完全消火されて大きな被害は出なかった。
 
「よーやく消えたなー。おっつー、ケローガー。」
 
「今日はウチのバカが世話になったな…。」
コトマさんがまだ不機嫌そうながらも、エイト君とケローガー君に礼を述べた。
 
「ああー別にええよ、んなことよりさくら泣いてたで?」
あっ…ちょ、ちょっと!(恥
 
「コトマ、女を泣かせたのかいてんめえええええ(ギリギリ」
「ち、違…ごはぁあああ」
コトマさんが首をギリギリ握りしめられてる…
お、大家さん、違うんです違うんです!
足にしがみついて訴えかけた。
 
手を放してもらった後咳き込みながらコトマさんが喋る。
「ゲッホゲッホ…いや、コイツがまさか俺の言うこと聞かずに、
戦ってる最中戻って来るとは思わなくてよ…」
確かに命令無視は今回が初めてかも…。
 
「それってやっぱり…」
大家さんとエイト君が私を見つめて何か言おうとしたけどコトマさんはこう言い放った。
思いの他負けず嫌いな性格なんだな。」
 
「(違うと思う…)」
「(そらちゃうわ…)」
「ぶぶいい…(ちょっと違うかも…」
でも、今後あのバオッキーみたいな遠距離が得意なポケモンが相手の時、
今日と同じ行動を取り続けたくはない。
 
弱くてもいいから、何か遠距離の技を覚えたい。
ちゃんとコトマさんの側で…戦えるようになりたい。
だからもっと…
 
「さくら。」
「ぶい?」
「本気で強くなりたいんなら…ちょいと技を教えてやる。」
私の前でしゃがみこんで、今まで見たことないくらいに真剣な眼差しで語りかけてきた。
 
私は大きく頷き、厳しい特訓を乗り切る決意をした。
時代は違えど、愛すべき町。そして大切なポケモンや町の人達のためにも…
 
 
ぐぅうううううぅ…
「その前に腹満たさねぇと何もできねえ」
 
緊張の糸が切れた後のコトマさんのお腹は正直すぎた。
 
とぅびぃこんてにう!
 
あとがき
てなワケで今年初のかのブイようやく出せました!
もう待ってる人も居なそうなぐらい間が空いてしまいましたね…w
春休み突入したので、保気魂と共に活発化できたらと思います。
 
最近過去の予定に逆らって、お留守番役のハズのさくらちゃんが戦力強化に意欲的だったり、
コトマさんがよりファンタジーなパワーを発揮してしまったりと
ちょっと設定が暴走気味かな…